Deep ResearchがGemini 2.5 Proで使えるように！

この記事でわかること
　「Deep Research」で何ができるようになるのか？
　従来のAIリサーチ機能と比べて、どのように進化したのか？
　どうすれば利用できるのか？

「情報収集に時間がかかりすぎる…」
「信頼できる情報源を探すのが大変…」

日々の業務や学習の中で、情報収集に関する悩みはありませんか？
検索結果を一つひとつ確認し、気づけば多くの時間が過ぎていた…

という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

もし、あなた専属の優秀なリサーチアシスタントがいて、時間のかかる情報収集や分析をサポートしてくれたら…素晴らしいと思いませんか？

実は、そんな未来がすぐそこまで近づいているかもしれません。Gemini 2.5 Pro「Deep Researchが、まさにその可能性を秘めた注目の技術なんです。

この記事では、AIの最新動向に関心のある方に向けて、

• 「Deep Research」で何ができるようになるのか？
• 従来のAIリサーチ機能と比べて、どのように進化したのか？
• どうすれば利用できるのか？

といったポイントを、分かりやすく解説していきます。

Googleが発表！AIによるリサーチが新たな段階へ

AI技術の進化は、本当に目覚ましいスピードで進んでいますね。Googleもその最前線で継続的に新しい技術を発表していますが、今回のGeminiに関するアップデートは、単なる性能向上に留まりません。特に情報収集と分析の領域において注目に値するものです。

4月8日（現地時間）発表されたのは、最新のAIの”頭脳”にあたる「Gemini 2.5 Pro（Exprimental）」でリサーチアシスタント「Deep Research」を利用できるようにした、というものです。

これらはセットで提供されることで、単なる機能追加というよりも、私たちが日頃行っている情報収集や分析の進め方そのものに、大きな影響を与える可能性を秘めていると言えるでしょう。

「Gemini 2.5 Pro (Experimental)」とは？ – 高度化したAIの”頭脳”

まず、「Gemini 2.5 Pro」についてもう少し詳しく見ていきましょう。

この評価は、単に大量の情報を記憶しているというだけでなく、人間が投げかける複雑な指示や質問の意図を正確に理解し、文脈に応じた細かなニュアンスまで捉える能力が大幅に向上していることを意味します。
さらに、より人間が行う思考プロセスに近いステップで答えを導き出す、高度な推論能力も向上していると言われています。

つまり、曖昧な要求にも柔軟に対応できたり、より深いレベルでの対話が可能になったりすることが期待されるわけです。この非常に賢いAIが基盤となっているからこそ、「Deep Research」は後述するような高度な情報収集・分析機能を提供できるのです。

新機能「Deep Research」とは？ – あなた専属のAIリサーチャーのように

さて、本題の「Deep Research」機能です。これは、簡単に言えば「ユーザーに代わって、AIが広範な情報を収集・分析し、分かりやすいレポートに要約してくれる機能」です。

まるで、自分だけの調査チームがサポートしてくれるような感覚かもしれません。

「Deep Research」は何ができる？

知りたいテーマをAIに伝えるだけです。

例えば、「再生可能エネルギー導入における最新技術トレンドとその経済的影響」や、「特定の疾患に対する最新の治療法と臨床試験結果の比較」といった、専門的で多角的な視点が必要なテーマについても対応可能です。

AIが関連情報をしっかりと調査し、ポイントが整理された読みやすいレポートを作成してくれます。これにより、複数の情報源を行き来する手間が軽減されるでしょう。

「Deep Research」の注目ポイント！

単に情報を集めるだけでなく、AIが内容を分析・比較し、時には情報間の矛盾点を指摘してくれることもあります。まるで、優秀なアシスタントが隣で「ここが重要ですよ」と示唆してくれるかのようです。

「Deep Research」の評価は？

Googleの内部テストでは、他のAIリサーチツールと比較して、このDeep Researchが生成したレポートの方が高い評価を得たという結果が報告されています（2対1以上の差）。
これは、情報の量だけでなく、質や構成の分かりやすさも優れていることを示唆しています。

ココが進化した！Deep Researchのパワーアップポイント (従来比較)

「以前のGeminiにもディープリサーチ機能があったのでは？」と感じた方もいらっしゃるでしょう。

以前のバージョンでリサーチした同じプロンプトを使って、なにがどうパワーアップしたか検証してみました。

使用したプロンプト

「ChatGPT」「Gemini」「Perplexity」「DeepSeek」「Genspark」「Felo」
各AIツールのディープリサーチ機能について、その機能や特徴を詳しく調べて詳細なレポートにしてください。

このプロンプトに対して、Gemini 2.5 Pro版（レポート1）は、従来版（レポート2）と比較して、参照ソース数が63件から98件へ、レポートページ数も18ページから32ページへと大幅に増加しました。この量的な変化は、これから述べる質的な進化を裏付けるものと言えます。

1. 分析の「深さ」と「質」が向上

以前のレポート（レポート2）は、各ツールの主要機能や特徴を分かりやすくまとめ、概要を把握するのに適していました。

一方、Gemini 2.5 Pro版（レポート1）では、AIの「考える力」が向上し、各ツールの技術的な仕組み（メカニズム）やデータソース、さらには引用の正確性といった課題にまで踏み込んだ、客観的で専門的な分析が行われています。表面的な情報だけでなく、その背景にある技術や課題まで理解を深められる質の高いレポートが期待できます。

2. 情報の「網羅性」と「多角的な視点」が強化

従来版（レポート2）も基本的な情報はカバーしていましたが、Gemini 2.5 Pro版（レポート1）はそれを大幅に上回る網羅性を誇ります。

分析が深まり、網羅性が増した結果、レポートの情報量は大幅に増加しました。これは、より多くの情報を得られるというメリットがある一方で、注意点も示唆しています。

レポートが非常に長大になったり、ユーザーの意図した核心部分から少し外れた関連情報まで詳細に含まれたりする可能性があり、これは一部で「考えすぎ」とも表現されています。

したがって、得られる情報の質と量は向上しましたが、最終的にどの情報を重視し、どのように活用するかというユーザー自身の目的意識や情報の取捨選択能力が、この機能を最大限に活かす上でより重要になってくると言えるでしょう。

4. プロセスの透明性や利便性も向上

機能面でも進化が見られます。

調査開始前にAIがどのような計画で進めるかを確認・編集できる機能や、バックグラウンドでの効率的な処理など、リサーチプロセス全体の利便性や透明性も向上しています。

「Deep Research」をまとめると…

Gemini 2.5 Pro版のDeep Researchは、従来版と比較して、以下のことが飛躍的に向上しました。
分析の深さ・質、情報の網羅性・多角性。

ただし、その分情報量も増大します。つまりユーザー側で目的を明確にし、情報を取捨選択しながら活用していくことが、その真価を引き出すポイントとなりそうです。

両レポートの比較まとめ表

評価項目	Gemini 2.5 pro Deep Research	従来のDeep Research
量	網羅的で詳細な記述量。全40セクション。結論、参考文献リストを含む。	凝縮された情報量。全10主要セクション。機能比較表などを含む。
質	客観的で専門的な質の高い分析。技術的なメカニズムやデータソースの詳細な解説。引用の正確性の問題点も指摘。	概要把握に適した質。主要機能や特徴が分かりやすくまとめられている。定量的情報整理の意図が見られる。
網羅性	非常に網羅的。各AIツールの多様な側面を詳細に分析。特に技術的背景や引用の信頼性に関する議論が深い。	主要なAIツールとそのディープリサーチ機能の基本的な情報は網羅。
信頼性	信頼性の高い情報源に基づいた分析。公式ドキュメント、技術仕様、レビュー記事などを精査。引用の不正確さも率直に言及。	情報源に関する具体的な記述はない。一般的な情報と整合性は取れており一定の信頼性はある。
構成力	段階的かつ多角的な構成。ツールごとの詳細分析、横断的比較分析、機能比較マトリックスなど。	比較的シンプルな構成。概要、機能比較表、主要評価項目ごとの比較など。短時間で全体像を把握しやすい。
深掘り度	各ツールの内部メカニズム、基盤モデル、データソース、引用の課題などを詳細に説明・考察。洞察に富んだ分析を含む。	各ツールの基本的な機能や性能について解説。技術的な詳細や深い考察はレポート1ほどではない。

「Deep Research」は誰がどうやって使えるの？

この先進的な「Deep Research」機能は、以下のユーザーが利用できます。利用開始までの手順は比較的シンプルです。

Gemini Advanced 加入者

PCのブラウザ版だけでなく、スマートフォンのアプリ（Android/iOS）からも利用可能です。場所を選ばずに高度なリサーチを行えます。

Google Workspace ユーザー (Geminiアプリが利用可能な権限をお持ちの方)

現時点では、PCのブラウザ版Geminiでのみ利用可能です。（スマートフォンアプリでの対応については、今後のアップデートが期待されます。）

使い方はシンプル！

1. Geminiを開き、画面上部などにあるモデル選択メニューから「Gemini 2.5 Pro (experimental)」を選択します。
2. 次に、質問を入力する欄の近くにある「Deep Research」オプションを選択し、調査したい内容を入力します。これでDeep Research機能が起動します。

耳でインプット！「Audio Overviews」も便利 – 新しい情報収集スタイル

レポートを読む時間がない、あるいは他の作業をしながら情報をインプットしたい、というニーズに応える便利な機能が「Audio Overviews」です。これは、「Deep Research」が作成した詳細なレポートの内容を、まるでポッドキャスト番組のように自然な音声で聴くことができる機能です。

単にテキストを読み上げるだけでなく、情報を会話形式に変換してくれるため、より耳馴染みが良く、理解しやすいのが特徴です。

例えば、通勤電車の中や、ジムで運動している時、あるいはキッチンで料理をしている間でも、スマートフォンやイヤホンを通じて、調査結果の要点や詳細を効率的にインプットできます。

目で読むのとは違った形で、内容が頭に入ってくるかもしれませんね。

さらに、この機能はマルチタスクを可能にするだけでなく、アクセシビリティの向上にも貢献します。
文字を読むのが難しい状況の方や、視覚的な情報を得るのが困難な方にとっても、音声を通じて情報にアクセスできるため、非常に価値のある機能と言えるでしょう。

情報収集のスタイルに、新たな選択肢を加えてくれる機能です。

※Audio Overviews機能で出力した音声

まとめ：一歩先の情報収集・分析を体験しませんか？

Googleの新しい「Gemini 2.5 Pro (Experimental)」と「Deep Research」機能についてご紹介しました。
これは、私たちの情報収集や分析の進め方に大きな変化をもたらす可能性のある、非常に興味深い技術です。

まだ実験的な提供段階ではありますが、その高い能力はすでに示されています。
Gemini Advancedを利用している方や、対象となるWorkspaceユーザーの方は、ぜひ一度この新しいリサーチ体験を試してみてはいかがでしょうか。

きっと、日々の情報収集・分析業務がより効率的になるヒントが見つかるはずです。

実際に使ってみた感想や、便利な活用方法などがあれば、ぜひ共有していただけると嬉しいです。